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2000.01【事例でわかる!フォーマットの活用法】
2.リスクアセスメント・マトリクス


 
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リスクアセスメントの必要性が、OHSAS 18001への関心とともに重大している。20年前から「リスクマネジメントマニアル」を提供している小センターとしては、やっと、来るべき時代になったかという思いだが、今回のフォーマット紹介は、「安全設計とリスクアセスメント手法」(編著:松本俊次・定価39,800円)より。

●ハードウェアののリスク評価手法

(a)リスク評価手順

もっとも簡便で汎用的に広く適用できるリスク評価法が、MILの評価法である。MILはハザードによる被害の大きさと被害の発生確率の二つのファクターをリスクの大きさの関数として扱う基本的な評価法を採用している。
ハザードによる被害の大きさは表1により、またハザードによる被害の発生確率は表2によるとしている。特定したハザードについて表1および表2から得られたハザードの大きさのカテゴリーおよびハザードの発生確率レベルを表3のリスクアセスメント・マトリクスに当てはめ、リスク・インデックス(RI)を求める。このRIの値により、同表に示されているリスク評価が得られることになる。

(b)使用に際して注意すべき事項

このリスク評価手法は、米国の国防総省の空軍が使用するために開発されたものである。大量の物品を調達し運用するための国防総省の規格であるから、このリスク評価手法の対象となるシステム(製品)は、広範囲のものが想定されている。しかし、こうしたシステムの運用にあたる関係者は、すべて国防総省に属する人々(成人)である、という点に注意を払わねばならない。消費者製品のように一般家庭の主婦、こども、幼児などが接する製品の場合とは、対象とするユーザーレベルが異なるからである。
そこで表1のハザードの大きさの分類に示されている被害の大きさも記述も、評価対象システム(製品)に適合するか否かを確認し、修正する必要があるか否かを検討しなければならない。また、表3のリスクアセスメント・マトリクスに示されているRIの評価も同様の問題がある。少なくとも5.2項で述べたように評価対象システムにより、許容リスクレベルは変動する。許容リスクレベルに影響を与えるさまざまな要因を考慮し許容リスクレベルは変動する。許容リスクレベルに影響を与えるさまざまな要因を考慮し許容リスクレベルを決定しなければならない。こうした意味で表3のリスクアセスメント・マトリクスに示されているRIの値の評価は、一つの代表的な例と解釈すべきものといえる。 皆さんも是非、自社の工場、オフィスで実行してみて下さい。

表1 ハザードの大きさの分類
ハザードの大きさ カテゴリー 被害の大きさ
致命的
(Catastrohic)
死亡、システムの喪失、または重大な環境破壊
危機的
(Critical)
II 重症、重大な業務傷害、甚大なシステムの損害、または甚大な環境破壊
限界的
(Marginal)
III 軽傷、軽度の業務傷害、軽度のシステムの損害、または軽度の環境破壊
ネグリジブル
(Negligible)
IV 上記IIIに至らない業務傷害、システムの損害、または環境破壊



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