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【連載 コンサルタントは語る!】

 佐藤 英一 氏
品質・環境安全・食品コンサルタント
ISO佐藤事務所 所長
 
金沢大学講師
食品流通におけるHACCP導入協議会専門委員
ISO 22000システム入門・講師
中国農業考察団・食品安全フードチェーン・システム講師
ISOと農業シンポジュウム大会・ISO 22000構築実例講師
標準物質生産システム(ISO Guide 34)構築指導
(独)食品総合研究所:[遺伝子組み換え]
(独)産業技術総合研究所:[有機・無機・底質・pH]
(独)産業技術総合研究所:[岩石・鉱物]
食品安全システム
ISO 22000・構築指導[高知]
その他ISOシステム
農業関係・海洋深層水関係・清涼飲料関係等多数指導

企業独自の「憲法」をもつこと
チェーンマネジメントシステム構築指導に実績

ISO佐藤事務所(TEL 047-380-8018)は、6年前に高知県の環境保全型畑作振興センターにISO 9001と14001を複合で指導。その後、高知野菜を流通させる園芸連および物流業者、室戸の海洋深層水メーカーなどへ同様の指導を続け、全てに認証を取得させるなど豊富な実績を有している。
農場から食卓までのフードチェーン全体を貫く安全・安心システムの構築に造詣が深く、金沢大学講師であり食品総合研究所などでも指導を行う佐藤英一所長に聞いた。


○…当方の指導の特徴は、その企業にまず「憲法」を樹立させることから始まる。どのISOを取得するにしても、その上に確固たる一本の憲法がなければ取得は難しい。企業の中に、品質保証、安全環境など別個の憲法が存在してはいけない。国家憲法のもとに13の基本法があり、その下に法律があるという体制にする必要がある。
例えば、ISOの要求事項であるコンブライアンス(内部統制)にしても、それは憲法の下につけるべきものである。10年後には、ISO 9001と14001が統合されるとともに、OHSAS 18000(労働安全衛生マネジメントシステム)と財務関連の規格などが集約され、企業運営そのものがISO一本という方向にいくはずである。
当方は、早くから全てその方向性を視野に入れて指導を行っている。

○…ISO 22000についても、当方は前述の指導体制を基本にする。
つまり、同規格はHACCPとISO 9001が統合されたものだが、排水管理など環境負荷の低減事項ではISO14001、労働安全衛生の確保ではOHSAS 18000が関わってくる。
さらに、化学的危害である残留農薬の確認には、試験分析値の信頼性を確保するISO17025(試験所品質システム)と、それを標準化するISOGuide 84(標準物質生産システム)が関連してくる。このシステム関連をトータルに構築するのが理想である。当方は、これら全てのシステム構築指導で実績を有している。

○…同規格では、すでに発行前のDIS段階で、ある食品メーカーが新工場を建設する際のコンサルティングを行った。米国でのHACCP経験をもとに、建屋と食品機械の配置の問題(交差汚染など)から工場周辺の衛生環境維持(立ち木による飛散の問題など)まで徹底的に指導した。日本のHACCPはまだ甘い点が多い。工場の門を出てから、消費者の食卓に届くまでの衛生管理もキープする必要がある。そのためにフードチェーンごとのインターフェースをしっかりとるのが同規格の思想であり、トレーサビリティも確立できない。これからはトレーサビリティによる正確な情報を先行させ、計画生産的に市場調整していくことが、企業収益の向上につながる。
そのためには、チェーンマネジメントが必要であり、それを指導できるコンサルタントが望まれている。将来、新技術開発センターでチェーンマネジメントコンサルタントの養成を行いたいと考えている。

インタビュー:稲葉和幸



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