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経営層、総務部、海外事業部、リスクマネージャー、
企業内の危機管理マニアル企画制作担当者必読の1冊

グローバル・ビジネス対応
危機管理マニアル


   
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CD-ROM版+くるみ製本(368頁)
定価:50,500円(消費税込)+送料

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◎編著:檜谷芳彦
    国際コンサルタント
    インター・コンサルト代表
    税理士,スイスIMDのMBA取得


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編著者のことば

2001年9月11日火曜日,ニューヨークで起こった同時多発テロ事件には,邦人ビジネスマンを含む多くの人々が巻き込まれ,現在その大多数が未だ行方不明であります。同時に,ニューヨーク・マンハッタンという国際ビジネスの中枢を襲った混乱は,世界経済にも深刻な影響を与え続けています。
このような大規模,かつ突発的な事件から,建造物や行政機関,ビジネスのネットワークを守ることは,到底不可能に見えます。たしかに,この事件は,地球上で最もすぐれた危機対応システムを保持している米国の,しかもその中枢機能を麻痺させるほどの衝撃的なものでありました。つまり,危機管理の最先進国であるアメリカでさえ,完全にウラをかかれた形になっており,ありとあらゆる危機に対して,あらかじめ備えることがいかに困難であるか,ということを思い知らされたわけであります。

現代社会,特に国際社会は,巨大化,複雑化して我々の手に負えないものになりつつあります。ということは,現代社会では危機は避けることのできない存在であって,国家も企業も人も,それを前提として危機に備えなければならない,ということを意味しております。今回,米国は,あらかじめ当該危機の予測はできませんでしたが,危機発生後の対応を見ると,連邦政府,ニューヨーク市,警察・消防の動きのいずれをとっても,実に秩序立って整然と任務をこなしておりました。つまり,米国には,平時にはすでに危機管理が存在していたことを如実に証明するものであります。でなければ,あのような大惨事に遭遇したら,もっと大きな混乱を招いたことでしょう。阪神・淡路大震災時の日本政府・行政機関の対応に比較して大きな相違がある,と言えましょう。

さて,ひるがえって企業の対応はどうでしょうか。統計によれば,危機管理に対応して備えができている企業は,全アメリカでさえその20パーセントにすぎないそうであります。ましてや,日本の場合は,ほとんどの企業がマニュアルさえも準備していない,というのが現状でしょう。日本国内では,つい最近の事件を見ても,たとえば,筑波の臨界事故,牛乳の集団食中毒,薬害エイズ,銀行や証券会社の不良投資,そして,狂牛病問題のように,組織の存亡に関わるような重大な事件に対して,危機に対する認識の甘さ,情報隠蔽による対応の遅れ,事後処理の不適切さなど,危機管理の存在がほとんど感じられないほど,備えは脆弱であります。

危機の発生は防げないかも知れない。しかし,それをあらかじめ想定し,実際に発生したときの備えがあるかどうかによって,事後の未曾有の損害を食い止めるかどうかが決まるわけであります。「危機」とは,テロのような暴力的な事件だけを意味するものではありません。特に,企業の活動がグローバル化し,全世界のどのような地域にもビジネスのネットワークが張り巡らされている現在,企業の根幹を揺るがすようなビジネス上の危機の存在は,通貨や相場の国際的な暴落,知的所有権,製造物責任,独占禁止法,セクシャル・ハラスメントなどの法的な側面など,広範囲に及びます。これらは,多くの場合,国境を超えて,異文化の中の,異なる法制や税制,風俗や商習慣,為替の変動,言語の相違などに原因します。それらに対応するには,日本的な価値観や認識ではなく,よりグローバルな見地からの備えが必要であります。つまり,いまや危機管理にもグローバル・スタンダードが求められている,ということになるわけであります。

本書では,グローバルなビジネスを展開している企業のために,平時において,上記のようなさまざまな危機を想定して,これにいかに対応するか,という見地から,危機管理の対策をマニュアルとしてわかりやすくまとめたものであります。すでに社内に危機管理システムができている企業であっても,グローバルなビジネス展開全体の危機管理を見直す場合に,また,これを機会に社内の危機管理のためのシステムづくりに着手しようとしている企業には,その指針として,このマニュアルをご活用いただければ幸いであります。

CD-ROMに含まれる文書ファイル(PDF・アクロバット形式)は,著作権上直接書き替えはできません。


ページ見本

目   次

〔はじめに〕
〔プロローグ〕危機は避けることができない
  −「危機」とは何か
  −危機管理の種類
◆リスク・マネジメント
◆ディザスター・マネジメント
◆クライシス・マネジメント
  −新しい経営技術としての「危機管理」
  −危機は必ず起こることを想定せよ
  −成功のウラで危機が待っている

〔第一部〕テロなどの不可抗力に対する危機管理

第1章 危機管理の基本的準備

1.何が危機管理の効果を妨げるか
2.危機管理組織のあり方
3.いま,すぐ,やるべきこと

第2章 海外安全対策のチェックリスト

1.危機管理計画の作成

(1)計画の目的
(2)計画遂行の組織
(3)責任と権限
(4)命令系統
(5)シミュレーション
(6)メンテナンス
(7)情報の収集
(8)社内危機管理マニュアルのフォーマット

2.海外派遣社員の安全管理

(1)安全管理一般事項
  −海外拠点の所在地
  −緊急用品
  −現地医療状況
  −通信・情報入手手段
  −地域社会との交流
  −現地警察等
  −現地の日本政府在外機関
(2)現地生活の安全管理チェックリスト
  −自宅の安全状況
  −勤務地の安全状況
  −通勤時・通学時の安全状況
  −緊急時の連絡方法
  −郵便物の取り扱い
  −自家用車・社用車の点検
(3)出張時の安全管理チェックリスト
  −空港にて
  −路上の防犯対策
  −夜間の防犯対策
  −ホテルでの防犯対策
  −盛り場での防犯対策
  −犯罪に巻き込まれたときの処置
  −安全対策のための情報活動

第3章 国別・地域別治安状況

1.中東

  (1)パレスチナ (2)レバノン
  (3)湾岸 (4)イラン (5)イラク
  (6)キプロス

2.中央アジア

  (1)アフガニスタン (2)チェチェン (3)モルドバ (4)ロシア

3.東南アジア

  (1)カシミール (2)東ティモール
  (3)スリランカ (4)南シナ海
  (5)インドネシア (6)フィリピン
  (7)マレーシア (8)ミャンマー
  (9)インド

4.中国・東アジア

  (1)新彊ウィグル自治区 (2)朝鮮半島
  (3)尖閣諸島 (4)チベット (5)台湾
  (6)香港・マカオ

5.南北アメリカ

  (1)ペルー (2)コロンビア
  (3)ハイチ・キューバ (4)メキシコ
  (5)中米 (6)米国・カナダ

6.アフリカ

  (1)北アフリカ (2)エチオピア・ソマリア・スーダン
  (3)ナイジェリア (4)コンゴ (5)南アフリカ

〔第二部〕国際取引上の危機管理

第1章 グローバル・ビジネスのカベ

1.文化・習慣・宗教のカベ
  (1)儒教・道教文化 (2)イスラム教文化
  (3)仏教・ヒンドゥー教文化
  (4)キリスト教文化

2.法制のカベ
  (1)英米法と大陸法 (2)知的所有権 (3)独占禁止法
   (4)製造物責任(5)セクシャル・ハラスメント
  (6)米国雇用差別禁止法

3.為替のカベ
  (1)投資のリスク (2)為替ヘッジ
  (3)決済手段 (4)資金繰り

4.言語のカベ
  (1)現地使用言語 (2)本社と現地の使用言語 (3)交渉用語

第2章 紛争の解決

1.紛争の解決方法
  (1)交渉の要諦 (2)裁判か仲裁か
2.不可抗力条項のポイント
  (1)Force majeur条項とは
  (2)不可抗力時になすべきこと
  (3)ケース・スタディ

第3章 日本企業の実態

1.過去の巨額損失事件に学ぶ
  (1)特許紛争 (2)セクハラ事件
  (3)通貨危機 (4)過剰投資

2.日本的経営の弱点
  (1)日本的価値観の功罪 (2)日本至上主義の終焉 (3)組織の腐食

3.将来の国際経営危機への備え


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