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第1章 夢・創造技術士
技術士は我国のエンジニアの最高の資格ですが、21ある各部門で、多種多様な活躍をされています。機械、船舶・海洋、航空・宇宙、電気電子、化学、繊維、金属、資源工学、建設、上下水道、衛生工学、農業、森林、水産、経営工学、情報工学、応用理学、生物工学、環境、原子力・放射線、そして総合技術監理と、このような広範囲の分野で、自分の技術を活かしながら活躍しているのです。それぞれの技術士の方が自分の夢や生き方に技術士の資格をかかわらせているのが特徴ですね。男性ばかりではありません。女性の技術士の方も年々増加しており頼もしい限り。国内だけではなく海外で活躍中の皆さんも数多いのです。
我々はかつて、活躍する技術士の方を紹介するシリーズを日本工業新聞(現 Fuji Sankei Business i)で続け、読者の方に一人でも多く技術士の資格の素晴らしさを知ってもらおうといたしました。今回はその中より5名を選び、その記事を掲載させていただきます。
皆様も、彼ら(彼女ら)の生き方に興味をもたれたら、是非、技術士にチャレンジして下さいね。
ここにご紹介した5人の方だけでなく、皆さん、ご自分の技術を社会のために応用しそのことを楽しんでいるのが共通のようですね。前向きに技術をとらえ、更に環境等への配慮を忘れず、最先端の技術を求めて日々研鑽を続けて行くという姿勢が大きな成果につながっていると思われます。最近は、産学官連携が活発化しておりますか ら、大学や公的研究機関、地域結集型共同研究事業などで、重要視される研究開発成果を評価する目利きや、企業との間を取り持つリエゾンコーディネーターとして活躍されている技術士も多いようですね。記事にもありますように、銀行から投資判断材料とするためベンチャー企業がもつ技術の鑑定を頼まれたり、損害保険会社から事故原因の調査レポートや故障解析を頼まれることもしばしばです。最近の新潟中越地震等の調査レポートも技術士の方が活躍されておりますね。
第2章 技術士を知ろう
2−1.技術士とは
「技術士」とは、文部科学省の国家資格で、国が認定した技術者の最高の資格ですね。医師、弁護士、弁理士、公認会計士と並んで、五大国家資格のひとつなんだけど、医師や弁護士や公認会計士と違って完全な業務独占ではなくて一部独占なんだよね。技術士法の第2条では、技術士の定義として《「技術士」とは文部科学大臣の登録を受け、技術士の名称を用いて科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう。》となっていますね。
故土光敏夫氏の言葉(経団連名誉会長当時)として「学理を開発した学者には博士という称号が与えられる。これに対し、技術を産業界に応用する能力を有すると認められた技術者には技術士という称号が与えられる」が有名ですね。
技術士の業務は多岐にわたるが主な業務として次のようなものがありますね。
- 公共事業の事前調査および計画・設計の監理
- 地方公共団体の業務監査のための技術調査と評価
- 中小企業を中心とする企業に対する技術指導、技術調査、研究および技術評価
- 地方自治体が推進するエキスパートバンク(中小企業向け専門家相談室)
- 特許の評価および技術移転の支援
- 裁判所および損保機関などの技術調査と鑑定
- 開発途上国への技術指導
- APEC(Asia-Pacific Economic Cooperation:アジア太平洋経済協力)エンジニ アとして登録し、APEC域内での技術活動
技術士の特典は、技術士の資格を得ることにより、他の国家資格を取得するにあたって、試験免除や講習の受講のみで取得できることや、筆記試験の一部免除、学科試験免除などの特典が数多くあるけど一番大きい特典は、技術士になることで、自らのエンジニアとしての価値を高め、人生に自信をもって進むことができることかも。プロフェッショナルエンジニアというプライドが世界の中での自信につながるわけ。
もちろん技術士には義務もあって、2000年4月の技術士法改正によって、技術士の三大義務「信用失墜行為の禁止」、「秘密保持の義務」、「名称表示の場合の義務」に加え、「公益確保の責務」、「資質向上の責務」の二大責務が加わったことを忘れないようにしなくちゃあ。
2−2.技術士制度について
技術士は、およそ半世紀前に、米国のコンサルティングエンジニアおよびプロフェッショナルエンジニアの制度を倣って、コンサルティングエンジニアの制度を定着させるために生まれたものなのね。
当初民間資格としてスタートし、技術士法の制定をめざした積極的な活動が行われ、紆余曲折を経て1957年、国会の審議を通過し、科学技術庁を所管とする技術士制度が発足したわけ。
1958年7月、第1回目の技術士試験が行われ、同年11月、技術士法に基づく(社)日本技術士会が発足したのです。
1983年には技術士補制度が発足し、技術士補制度は、技術士補として技術士業務を補助することになりました。
1998年に、APECエンジニアの枠組み作りがスタートし、2000年にAPECエンジニア登録が開始され、2000年4月、技術士法が改正され、技術士第二次試験は技術士第一次試験の合格者のみが受験できるようになったの。技術士第一次試験は技術士第二次試験のパスポートというわけ。
2−3.技術士関連情報はここをチェック
まず忘れちゃならないのが、(社)日本技術士会のホームページ。
http://www.engineer.or.jp/
ここは一週間に1回はチェックして見よう。全然変わってないこともあるけどね。
質問は、TEL(03)3459−1331まで。
もう一つは、技術士試験センターのホームページ。
http://www.engineer.or.jp/examination_center/index.html
TEL(03)3459−1333 です。
もうひとつ、文部科学省科学技術・学術審議会技術士会分科会のホームページもあげ
ておきましょう。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu7/index.htm です。
もちろん、新技術開発センターのhttp://engineer.techno-con.jp/ と https://www.techno-con.co.jp/gijutusi/ も忘れないでね。技術士のホットな情報「技術士ホットニュース」配信はここから申込めますよ。
次のホームページも参考になるかも。
http://www.miken.org/
http://apec.fc2web.com/pe/
2−4.日本技術士会とは
それでは、日本技術士会にふれておきましょう。社団法人日本技術士会は、わが国にこの技術士制度の普及啓発を図ることを目的として、昭和26年(1951年)に設立された、技術士法に基づく、全国を区域とする唯一の公益法人です。日本技術士会では主に、以下のような事業展開をしています。
(1)一般事業
- 技術士業務に関する協力の推進(国内及び海外)
- 技術者資格の国際相互承認
- 相互交流
- 技術士CPD活動の推進
- 修習技術者及び技術士補の研鑽と育成
- 普及啓発
- 技術士の報酬に関する資料の作成
- 広報
- 海外技術交流
- 調査・研究の実施等
- 技術士の顕彰等
(2)技術士等の試験・登録
- 技術士試験の実施
- 技術士登録等の実施
- 技術士試験に係わる広報活動
皆さんが技術士試験に合格された暁には、必ず(社)日本技術士会に入会することをおすすめいたします。技術士試験や技術士に関することで疑問点があれば、下記にご確認下さい。
- 所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-1-20 田中山ビル8階
- 事務局:電 話:03-3459-1331(代)
- FAX.:03-3459-1338
2−5.技術士を知るための推薦図書
それでは、最後に技術士とは何かを知るための本を何冊かご紹介いたします。
- 「はじめての技術士チャレンジ!」(矢田美恵子・宮入賢一郎著、日刊工業新聞社刊)TEL 03-5644-7410
- 「IT新時代の技術士・技術士補のために」(岡本邦彦、岡本義則著、テクノ刊)TEL 03-5276-9022
- 「プロエンジニア−コンピテンシー構築の極意」(粕谷茂著、テクノ刊)
等をご参考にして下さい。
第3章 技術士試験はこのように行われる!
平成17年1月24日に発表された「平成17年度技術士第一次試験実施大綱」によると次
のようになっています。
3−1.技術士第一次試験の実施について
- 技術士第一次試験は、機械部門から原子力・放射線部門まで20の技術部門ごとに実施し、技術士となるのに必要な科学技術全般にわたる基礎的学識及び技術士法第四章の規定の遵守に関する適性並びに技術士補となるのに必要な技術部門についての専門的学識を有するか否かを判定し得るよう実施する。
- 試験は、基礎科目、適性科目、共通科目及び専門科目の4科目について行う。出題に当たって、基礎科目については科学技術全般にわたる基礎知識(設計・計画に関するもの、情報・論理に関するもの、解析に関するもの、材料・化学・バイオに関するもの、技術連関)について、適性科目については技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性について、共通科目については技術士補として必要な共通的基礎知識について、専門科目については技術士補として必要な当該技術部門に係る基礎知識及び専門知識について問うよう配慮する。
試験の程度は、共通科目については4年制大学の自然科学系学部の教養教育程度、基礎科目及び専門科目については、同学部の専門教育程度とする。
- 基礎科目、適性科目、共通科目及び専門科目を通して、問題作成、採点、合否判定等に関する基本的な方針や考え方を統一するよう配慮する。
なお、専門科目の問題作成に当たっては、教育課程におけるカリキュラムの推移に配慮するものとする。
3−2.技術士第一次試験の試験方法
(1) 試験の方法
- 試験は筆記により行い、全科目択一式とする。
- 試験の問題の種類及び解答時間は、次のとおりとする。
問題の種類 |
解答時間 |
I 基礎科目
科学技術全般にわたる基礎知識を問う問題
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1時間 |
II 適性科目
技術士法第四章の規定の遵守に関する適性を問う問題
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1時間 |
III 共通科目(2科目選択)
技術士補として必要な共通的基礎知識を問う問題
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2時間 |
IV 専門科目
当該技術部門に係る基礎知識及び専門知識を問う問題 |
2時間 |
- 受験者が解答するに当たっては、計算尺、電子式卓上計算機(プログラム機能がないものに限る。)等の使用は認めることができるが、ノート、書籍類等の使用は禁止する。
(2) 配点
- 基礎科目 15点満点
- 適性科目 15点満点
- 共通科目 40点満点
2科目選択で1科目 20点
- 専門科目 50点満点
試験の実施日程等は、次のとおりです。
3−3.受験申込書等の配布
「受験申込書」及び「受験の手引」は、平成17年5月18日(水)から配付予定(社)日本技術士会及び(社)日本技術士会の各支部等でお求めいただくか、郵送により請求して下さい。
- 受験申込書等配布場所
- 郵送による請求方法(4月中旬掲載予定)
3−4.受験申込受付期間
- 受付期間:
- 平成17年6月13日(月)から7月1日(金)(土曜日・日曜日を除く。)
受験申込書類は社団法人日本技術士会あて書留郵便(7月1日(金)までの消印のあるものまで有効)で送付するか又は同会へ持参すること。
★インターネット受付
平成17年度からインターネットでの受験申込受付を行います。
インターネット受験申込受付期間 5月18日(水)から6月27日(月)
詳細は5月18日に掲載いたします。
3−5.試 験 日
平成17年10月10日(月・祭日)
インターネットでの受験申込受付が新しく変わったところで、要注意。
技術士第二次試験の方は
平成17年度技術士第二次試験実施大綱によると
3−6.技術士第二次試験の実施について
- 技術士第二次試験は、機械部門から総合技術監理部門まで21の技術部門ごとに実施し、当該技術部門の技術士となるのに必要な専門的学識及び高等の専門的応用能力を有するか否かを判定し得るよう実施する。
- 試験は、必須科目及び選択科目の2科目について行う。出題に当たって、必須科目については当該技術部門の技術士として必要な当該「技術部門」全般にわたる一般的専門知識について、選択科目については当該「選択科目」に関する一般的専門知識並びに「専門とする事項」に関する専門知識の深さ、技術的体験及び応用能力について問うよう配慮する。
なお、総合技術監理部門においては、専門的知識、技術的体験及び応用能力を問うこととする。
試験の程度は、科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計等の業務に従事した期間が4年等(参考参照)であることを踏まえたものとする。
- 筆記試験(必須科目、選択科目)及び口頭試験を通して、問題作成、採点、合否判定等に関する基本的な方針や考え方を統一するよう配慮する。
3−7.技術士第二次試験の試験方法
(1) 筆記試験
- 筆記試験は、必須科目については択一式及び記述式により行い、選択科目については記述式により行う。
- 筆記試験の問題の種類及び解答時間は、次のとおりとする。
(総合技術監理部門を除く技術部門)
問題の種類 |
解答時間 |
選択科目
- 「専門とする事項」に関する専門知識の深さ、技術的体験及び応用能力
- 「選択科目」に関する一般的専門知識
- 必須科目
- 「技術部門」全般にわたる一般的専門知識
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3時間
4時間
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(総合技術監理部門)
問題の種類 |
解答時間 |
選択科目 (他の20の技術部門の必須科目及び対応する選択科目のうちあらかじめ選択する1科
目)
- 選択した技術部門の選択科目に対応する「専門とする事項」に関する専門知識の深さ、技術的体験及び応用能力
- 選択した技術部門に対応する「選択科目」に関する一般的専門知識
- 選択した「技術部門」全般にわたる一般的専門知識
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3時間
4時間
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- 必須科目
- 「総合技術監理部門」に関する専門的知識、技術的体験及び応用能力
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3時間30分 |
- 受験者が解答するに当たっては、計算尺、電子式卓上計算機(プログラム機能がないものに限る。)等の使用は認めることができるが、ノート、書籍類等の使用は禁止
する。
(2) 口頭試験
- 口頭試験は、筆記試験の合格者に対してのみ行う。
- 口頭試験は、技術士としての適格性を判定することに主眼をおき、筆記試験の繰り返しにならないように留意する。
- 試問事項及び試問時間は、次のとおりとする。
(総合技術監理部門を除く技術部門)
試問事項 |
試問時間 |
I 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力
II 必須科目及び選択科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識
III 技術士としての適格性及び一般的知識
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30分 |
(総合技術監理部門)
試問事項 |
試問時間 |
I(選択科目に対応)
I 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力
II 選択した技術部門の必須科目及び選択科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識
III 技術士としての適格性及び一般的知識
II(必須科目に対応)
I 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内eと応用能力
II 必須科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識
III 技術士としての適格性及び一般的知識
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45分(但し、選択科目が免除される者は30分) |
(3) 配点
- 筆記試験
(総合技術監理部門を除く技術部門)
問題別の配点は次のとおりとし、合計得点は、100点満点とする。
選択科目 |
70点満点 |
1 |
40点満点 |
2 |
30点満点 |
必須科目 |
30点満点 |
択一式 記述式 |
15点満点 15点満点 |
計 |
100点満点 |
(総合技術監理部門)
問題別の配点は次のとおりとし、選択科目は100点満点、必須科目は40点満点とする。
選択科目 |
100点満点 |
1 |
40点満点 |
2 |
30点満点 |
3 |
30点満点 |
択一式 記述式 |
15点満点 15点満点 |
必須科目 |
40点満点 |
択一式 記述式 |
20点満点 20点満点 |
- 口頭試験
(総合技術監理部門を除く技術部門)
試問事項別の配点は次のとおりとし、合計得点は100点満点とする。
I 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力
1.経歴及び応用能力 40点満点
II 必須科目及び選択科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識
2.体系的専門知識 20点満点
3.技術に対する見識 20点満点
III 技術士としての適格性及び一般的知識
4.技術者倫理 10点満点
5.技術士制度の認識その他 10点満点
計 100点満点
(総合技術監理部門)
試問事項別の配点は次のとおりとし、T(選択科目に対応)は100点満点、U(必須科目に対応)は100点満点とする。
I(選択科目に対応) 100点満点
I 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力
1.経歴及び応用能力 40点満点
II 選択した技術部門の必須科目及び選択科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識
2.体系的専門知識 20点満点
3.技術に対する見識 20点満点
III 技術士としての適格性及び一般的知識
4.技術者倫理 10点満点
5.技術士制度の認識その他 10点満点
II(必須科目に対応) 100点満点
I 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力
1.経歴及び応用能力 40点満点
II 必須科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識
2.体系的専門知識 20点満点
3.技術に対する見識 20点満点
III 技術士としての適格性及び一般的知識
4.技術者倫理 10点満点
5.技術士制度の認識その他 10点満点
試験の実施日程等は、次のとおりです。
3−8.受験申込書等の配布
「受験申込書」及び「受験の手引」は、平成17年3月1日(火)から配布。
(社)日本技術士会及び(社)日本技術士会の各支部等でお求めいただくか、郵送により請求して下さい。
- 受験申込書等配布場所
- 郵送による請求方法(2月中旬頃までに掲載予定)
3−9.受験申込受付期間
受付期間:4月1日(金)から4月20日(水)(土曜日・日曜日を除く。)
受験申込書類は、社団法人日本技術士会あて書留郵便(4月20日(水)までの消印のあるものは有効。)で送付するか又は同会へ持参すること。
★インターネット受付
平成17年度からインターネットでの受験申込受付を行います。
インターネット受験申込受付期間 3月1日(火)から4月12日(火)
詳細は3月1日に掲載いたします。
3−10.試験日
●筆記試験
平成17年8月6日(土) ・総合技術監理部門の必須科目
平成17年8月7日(日) ・総合技術監理部門を除く技術部門
・総合技術監理部門の選択科目
●口頭試験
筆記試験合格者に対して、平成17年12月上旬から中旬のあらかじめ受験者に通知する1日となっています。
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