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2005.12【特集記事−ザ・技術士】
技術士試験はこんなに変わる!
〜技術士試験の現在と未来〜


 

1−1.技術士制度のあらまし

 技術士は、およそ半世紀前に、米国のコンサルティングエンジニアおよびプロフェッショナルエンジニアの制度を倣って、コンサルティングエンジニアの制度を定着させるために生まれたものです。
 当初民間資格としてスタートし、技術士法の制定をめざした積極的な活動が行われ、紆余曲折を経て1957年、国会の審議を通過し、科学技術庁を所管とする技術士制度が発足したわけです。

技術士試験に関する基本的な仕組み

 1958年7月、第1回目の技術士試験が行われ、同年11月、技術士法に基づく(社)日本技術士会が発足したのです。
 1983年には技術士補制度が発足し、技術士補制度は、技術士補として技術士業務を補助することになりました。
 1998年に、APECエンジニアの枠組み作りがスタートし、2000年にAPECエンジニア登録が開始され、2000年4月、技術士法が改正され、技術士第二次試験は技術士第一次試験の合格者のみが受験できるようになった。技術士第一次試験は技術士第二次試験のパスポートというわけです。
(2007年から第二次試験が大きく変わろうとしています。)


1−2.技術士第一次試験の概要(平成18年度用未発表)

 平成17年1月24日に発表された「平成17年度技術士第一次試験実施大綱」によると次のようになっています。

1)技術士第一次試験の実施について
  1. 技術士第一次試験は、機械部門から原子力・放射線部門まで20の技術部門ごとに実施し、技術士となるのに必要な科学技術全般にわたる基礎的学識及び技術士法第四章の規定の遵守に関する適性並びに技術士補となるのに必要な技術部門についての専門的学識を有するか否かを判定し得るよう実施する。

  2. 試験は、基礎科目、適性科目、共通科目及び専門科目の4科目について行う。
    出題に当たって、基礎科目については科学技術全般にわたる基礎知識(設計・計画に関するもの、情報・論理に関するもの、解析に関するもの、材料・化学・バイオに関するもの、技術連関)について、適性科目については技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性について、共通科目については技術士補として必要な共通的基礎知識について、専門科目については技術士補として必要な当該技術部門に係る基礎知識及び専門知識について問うよう配慮する。
    試験の程度は、共通科目については4年制大学の自然科学系学部の教養教育程度、基礎科目及び専門科目については、同学部の専門教育程度とする。

  3. 基礎科目、適性科目、共通科目及び専門科目を通して、問題作成、採点、合否判定等に関する基本的な方針や考え方を統一するよう配慮する。
     なお、専門科目の問題作成に当たっては、教育課程におけるカリキュラムの推移に配慮するものとする。
2)技術士第一次試験の試験方法

(1) 試験の方法
  1. 試験は筆記により行い、全科目択一式とする。
  2. 試験の問題の種類及び解答時間は、次のとおりとする。
問題の種類 解答時間 配点
I 基礎科目
  科学技術全般にわたる基礎知識を問う問題
1時間 15点満点
II 適性科目
  技術士法第四章の規定の遵守に関する適性を問う問題
1時間 15点満点
III 共通科目(2科目選択)
  技術士補として必要な共通的基礎知識を問う問題
2時間 40点満点
IV 専門科目
  当該技術部門に係る基礎知識及び専門知識を問う問題
2時間 50点満点

試験の実施日程等は、次のとおりです。

3)受験申込書等の配布

 「受験申込書」及び「受験の手引」は、平成17年5月18日(水)から配付。
 (社)日本技術士会及び(社)日本技術士会の各支部等でお求めいただくか、郵送により請求して下さい。
 ●受験申込書等配布場所
 ●郵送による請求方法(4月中旬掲載)

4)受験申込受付期間

 受付期間:平成17年6月13日(月)から7月1日(金)
     (土曜日・日曜日を除く。)
 受験申込書類は社団法人日本技術士会あて書留郵便(7月1日(金)までの消印のあるものまで有効)で送付するか又は同会へ持参すること。

★インターネット受付
 平成17年度からインターネットでの受験申込受付を行っています。
 インターネット受験申込受付期間・5月18日(水)から6月27日(月)
 詳細は5月18日に掲載しました。

5)試 験 日

 平成17年10月10日(月・祭日)
 インターネットでの受験申込受付が新しく変わったが特に問題はなかったようです。


1−3.技術士第二次試験の概要

 技術士第二次試験の方は
 平成17年度技術士第二次試験実施大綱によると

1)技術士第二次試験の試験方法

(1) 筆記試験
  1. 筆記試験は、必須科目については択一式及び記述式により行い、選択科目については記述式により行う。
  2. 筆記試験の問題の種類及び解答時間は、次のとおりとする。

(総合技術監理部門を除く技術部門)
問題の種類 解答時間 配点
選択科目
  1. 「専門とする事項」に関する専門知識の深さ、技術的体験及び応用能力

  2. 「選択科目」に関する一般的専門知識
必須科目
「技術部門」全般にわたる一般的専門知識


3時間




4時間


40点満点

30点満点

30点満点

(総合技術監理部門)
問題の種類 解答時間 配点
選択科目
(他の20の技術部門の必須科目及び対応する選択科目のうちあらかじめ選択する1科目)
  1. 選択した技術部門の選択科目に対応する「専門とする事項」に関する専門知識の深さ、技術的体験及び応用能力

  2. 選択した技術部門に対応する「選択科目」に関する一般的専門知識

  3. 選択した「技術部門」全般にわたる一般的専門知識

3時間




4時間


40点満点


30点満点


30点満点
必須科目
「総合技術監理部門」に関する専門的知識、技術的体験及び応用能力
3時間30分 40点満点


口頭試験

(総合技術監理部門を除く技術部門)
試問事項 試問時間 配点
I 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力
II 必須科目及び選択科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識
III 技術士としての適格性及び一般的知識
30分 40点満点

40点満点

20点満点

(総合技術監理部門)
試問事項 試問時間 配点
I(選択科目に対応)
 I 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容と応用能力
 II 選択した技術部門の必須科目及び選択科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識
 III 技術士としての適格性及び一般的知識

II(必須科目に対応)
 I 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内eと応用能力
 II 必須科目に関する技術士として必要な専門知識及び見識
 III 技術士としての適格性及び一般的知識

45分(但し、選択科目が免除される者は30分) 40点満点

40点満点

20点満点



40点満点

40点満点

20点満点


試験の実施日程等は、次のとおりです。

2)受験申込書等の配布

 「受験申込書」及び「受験の手引」は、平成17年3月1日(火)から配布。
 (社)日本技術士会及び(社)日本技術士会の各支部等でお求めいただくか、郵送により請求して下さい。
 ●受験申込書等配布場所
 ●郵送による請求方法(2月中旬頃までに掲載予定)


3)受験申込受付期間

 受付期間:4月1日(金)から4月20日(水)(土曜日・日曜日を除く。)
 受験申込書類は、社団法人日本技術士会あて書留郵便(4月20日(水)までの消印のあるものは有効。)で送付するか又は同会へ持参すること。

★インターネット受付
 平成17年度からインターネットでの受験申込受付を行っています。
 インターネット受験申込受付期間 3月1日(火)から4月12日(火)
 詳細は3月1日に掲載いたします。

4)試験日

●筆記試験
平成17年8月6日 (土)・総合技術監理部門の必須科目
平成17年8月7日 (日)・総合技術監理部門を除く技術部門
           ・総合技術監理部門の選択科目
●口頭試験
筆記試験合格者に対して、平成17年12月上旬から中旬のあらかじめ受験者に通知する1日となっています。


1−4.技術士第二次試験方法改正の最新動向

─平成19年度より試験方法が大きく変わる─

 平成17年9月26日に科学技術・学術審議会 技術士分科会 試験部会が開かれ、「技術士試験方法の改正について(案)」が報告され審議されました。
 この案の要点を次に示します。現在、パブリックコメントを受理し、その内容を検討中です。
 今回の主要改正は試験科目のみの変更です。

1)20部門

(1) 業務経験論文が筆記試験からなくなり、口頭試験の資料となる
  1. 業務経験論文を筆記試験から除外する。
  2. 筆記試験合格者のみ、業務経験論文を口頭試験前に提出する。
  3. したがって、業務経験論文は口頭試験の際の資料となる。
  4. 業務経験論文はA4用紙2枚3,000字。
(2) 筆記試験の必須科目Uの択一問題が廃止になる
(3) 筆記試験の配点と試験時間が変わる
  1. 選択科目T−2は答案用紙6枚で50点。3時間30分。
  2. 必須科目Uは答案用紙3枚で50点、2時間30分。
(4) 筆記試験の要求事項が変わる
  1. 選択科目T−2は、専門知識と応用能力。
  2. 必須科目Uは、論理的考察力と課題解決能力。

2)総合技術監理部門

(1) 筆記試験の配点と試験時間が変わる
  1. 必須科目U−1の択一問題は廃止せず実施。ただし、従来の40問題がいくつになるのかは不明。
     配点は50点、試験時間は必須科目U−2と合わせて4時間。
  2. 必須科目U−2は答案用紙3枚で50点、試験時間は必須科目U−1と合わせて4時間。
(2) 筆記試験の要求事項が変わる
  1. 必須科目Vは、総合技術監理部門における課題解決能力及び応用能力。

 これらは、まだ決定されたものではありませんが、できるだけ18年度中に合格されるよう我々も万全をつくすつもりです。新情報も定期的に皆様に発信いたしますが、あまりに未定要素が多く、平成19年度の技術士第二次試験はさまざまな憶測を呼びながら、波乱含みの実施となりそうです。

今回の日程は平成17年度の日程ですから、平成18年度の日程発表に合わせてご確認下さい。


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