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2007.06【特集記事】
企業価値の最大化による
「新たな成長戦略」の仕方・考え方!

株式会社アルタマネジメント
代表取締役社長 日比野弘勝
 

企業価値の最大化と新たな成長戦略

これからの時代、いくらモノづくりに秀でていても「技術」をマーケテイングの面でうまく国内外に展開できない企業は未来が無いことを自動車など各産業で示しています。
従来の「製品市場」から見た研究開発、製造、物流、マーケテイングは、現在の厳しい市場競争の中で、多くの企業が同じことに取り組んでいるため優位性が築けなく、製品寿命が短くなるばかりか、破壊的な価格競争に巻き込まれ、絶えざる機種変更や高機能要求に応じているうちに新たな市場競争の機会を逃がし、共に体力を消耗させています。
その上、国内市場では成熟化が進み、モデル・チエンジ頼みの産業は頭打ちとなって、技術資源とブランド力を持った企業以外は、事業の存続が難しい時代となっています。
海外企業との「競争力と収益力の格差」は、日本企業のもろさを映しだしています。 にもかかわらず多くの企業は、「技術資源の価値とブランド力」を最大にしていないため、潜在的な収益力と競争力を最大にできずにいます。
技術という普遍的な価値を強化する「技術ブランド戦略」は、破壊的な価格競争と製品の短命化を防ぐと同時に、コミュニケーションとモチベーション(動機付け)で組織を束ね、市場と収益力を拡大する「企業価値最大化による新たな成長戦略」を実現します。

企業価値の最大化とは、

国際競争とM&A時代の中で、「割安な株価」と「社員と企業の一体感の希薄」は、大きなリスクを伴います。企業が存続するには「企業価値の最大化」を優先するしかありません。

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タテ軸の「技術ブランド戦略」と「他社がマネできないコア技術の開発」は、技術開発力の強化で売上拡大を生み出しています。
ヨコ軸の「技術ブランド戦略」と「戦略的な利益管理」は、収益力による力強い市場開発力を生み出し、そこから生まれる「オンリーワン新市場戦略」は、「企業価値の最大化による新たな成長戦略」を生み出します。

第1ステップ:市場と売上の拡大

世界の製造現場は、常にコストの低いところを求めて移動を繰り返し、よほどの技術資源とブランド力を持った企業以外は淘汰されていかざるをえない時代です。
多くの企業では、「技術資源の価値とブランド力」を最大にしていないため、潜在的な収益力と競争力を最大にできずにいます。
新たな成長戦略の源泉は、「技術資源の価値とブランド力の企業価値の最大化」です。
製品は、何十〜何百の技術から成り立っています。1製品市場から、何十〜何百の「技術市場」への進出は、「技術ブランド戦略」のロングテール効果とシナジー効果のプレミアム価格の売上と利益の拡大と同時に、「他社がマネできない新たなコア技術」の新たな成長戦略を生み出しています。

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(1) 市場競争力の強化と企業価値の最大化!
技術という普遍的な価値を強化する技術ブランド戦略は、そのロングテール効果とシナジー効果のプレミアム価格で、市場と収益力と競争力拡大の「企業価値の最大化」を生み出します。
グローバル化が進展し、標準化が進めば進むほど、独自の「技術ブランド」そのものが、世界で評価される時代の到来です。

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(2) 他社がマネできないコア技術の誕生
企業文化に培われた技術資源の中からこそ、「他社がマネできないコア技術」が誕生します。技術資源価値の可能性を創出する「技術ブランド戦略」は、ロングテール効果とシナジー効果のプレミアム価格の中から「他社がマネできない新たなコア技術」が誕生します。

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(3) 新たな成長戦略の誕生!
技術ブランド戦略のWebサイトは、世界の市場需要情報、技術需要情報、新市場情報、応用技術情報、潜在需要情報、新技術需要情報を集め、新市場・新事業・新技術・新製品誕生の機会を最大にします。

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(4) 世界は高品質で信頼性ある日本の加工部品と技術力を求めています。
新たな成長戦略の源泉は、「技術資源の価値とブランド力の最大化」です。
多くの日本企業は、コスト削減や効率化に専念しているうちに「技術資源の価値とブランド力」を最大にできず、世界の市場競争で多くの機会を逃がし、競争力と収益力と成長力で遅れをとっています。にもかかわらず多くの企業は、「技術資源の価値とブランド力」を最大にしていないため、潜在的な収益力と競争力を最大にできずにいます。
そこで世界39ヶ国の購買団体が所属する「国際購買管理連盟IFPSM」(International Federation of Purchasing and Supply Management)などのネットワークで、新市場・新事業・新技術・新製品誕生による新たな成長戦略の機会を提供 しています。

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(5) コミュニケーションとモチベーション(動機付け)の強化!
柔軟な発想と研ぎ澄まされた感覚は、企業文化に裏打ちされたコミュニケーションとモチベーション(動機付け)がカギを握っています。
「売りは何か?」売りを作り出すものは何か?」の企業文化の再確認と、顧客と企業の全ての人々が心の中に伝わる際の道筋(PATH)の約束(Promise)、受容(Acceptance)、信頼(Trust)、そして期待(Hope)のコミュニケーションとモチベーション(動機付け)で組織を束ね、収益力と市場を拡大する成長戦略のための体質つくりから始めなくてはなりません。

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(6) 品質と信頼性の強化!
顧客の70%はブランドで購入意思を決定したいと思っています。(事例)にもかかわらず、近年のモラルハザードとも言える企業の「品質と信頼性への失墜」は、企業の存続さえも危うくさせています。顧客ロイヤリテイー(顧客が繰り返し購入する度合い)の、わずか2%の減少はコスト10%の損失に等しいことが指摘されています。(事例)
顧客ロイヤリテイーを強化する「技術ブランド戦略」は、「品質と信頼性」が市場と企業に掛かり合う全ての人々が心の中に伝わる際の道筋(PATH)の「約束(Promise)」、「受容(Acceptance)」、「信頼(Trust)」、そして「期待 (Hope)」を実現しています。
〈品質と信頼性が与える顧客ロイヤリティーへの影響度〉
・高品質を提供するブランドを購入する :70%
・性能が一貫しているブランドを購入する :61%
・なじみのあるブランドを購入する :33%
・よい価値/価格を提供するブランドを購入 :30%
・パーソナリテイに適合しているブランドを購入 :26%
・問題を効果的に提案、解決してくれるブランドを購入 :26%

(7) 差別化とコンセプト
海外企業との「競争力と収益力と成長力の格差」は、日本企業のもろさを映しだしています。にもかかわらず国内のWebサイトなどの業種別事業案内では、競争他社との相見積りで過剰な価格競争を生み出しています。国際競争の中では「戦略的なコンセプトつくり」からはじめなくてはなりません。
「技術資源の価値個々の可能性と全体価値の可能性」の中から生まれた戦略的なコンセプトは、新たな企業ブランドと成長戦略を生み出します。

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第2ステップ:儲かる内部統制!(経営の見える化!)

代表約280社でのコストシミュレーションシステム導入運用実績から生まれ、後にトヨタ自動車の経営革命(ビジネス・レボルーション93)の「原価企画・管理の強化と収益管理の方法」へと発展した(戦略的な利益管理の)「目標利益を生み出すプロセスの内部統制」は、原価企画と原価管理のカベを破り「高収益体質」を実現しています。(1993年IE年次大会発表)
人員・費用など負担が重い「財務会計上の内部統制」に比べ、「目標利益を生み出すプロセスの内部統制」は、収益力による市場競争力を生み出します。

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第3ステップ:不具合とムリ・ムダ・モレの排除

自動車などのリコールの約60%は設計に起因しています。開発段階で問題点をどう排除することができるかが大きな問題点になっています。
従来のコストテーブルでいう統計処理されたコスト基準で設計された開発部品は、生産時の加工条件と異なるため、多くのリコールの発生原因となっています。
「品質・技術コストのシミュレーションシステム」が出力する「品質を保障する生産技術情報(QC工程表)」は、「設計段階での不具合と後工程のムリ・ムダ・モレ」を排除します。

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第4ステップ:「購入コスト削減」戦略!

世界の製造現場は常にコストの低いところを求めて移動を繰り返しています。受注から資材調達・生産・在庫管理・発送に至る流れを効率管理するサプライ・チエーン・マネジメントとは異なり、「集中・集約購買」、「調達先ツリー構造化」、「購入品の標準化・共通化」、「購入部品のモジュール化」、「開発購買」、「戦略購買」、「技術のブラックボックス化排除」、「技術の伝承」など購入コストの最経済化への購買政策の見直しから始めなくてはなりません。国際競争の中で「技術購買による購買戦略」が急務です。世界39ヶ国のネットワークで国際購買戦略に貢献します。

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おわりに、

「技術ブランド戦略による企業価値の最大化」への提唱!
海外企業との「競争力と収益力と成長力の格差」は、日本企業のもろさを映しだしています。多くの日本企業は、コスト削減や効率化に専念しているうちに、「技術資源の価値とブランド力」を最大にできず、世界の市場競争で多くの機会を逃がし、収益力と競争力で遅れをとっています。
しかし、世界は、製品開発に必要な高品質で信頼性ある日本の加工部品と技術力を求めています。
日本には、 ・世界のマザーマシン・メーカーの大半が国内にある。
・日本人の感性がモノつくりに適している。
・ロボット化で365日24時間無人の連続生産か可能。など
世界的サプライ・チエーンと新たな分業体制の中で、基幹部品、高品質の中間財の供給国としての日本の競争力は、揺るぎないものとなっています。
グローバル化が進展し、標準化が進めば進むほど、企業独自の「技術ブランド戦略」そのものがA世界で評価される時代の到来です。
国内外の代表約324社の収益改善と、1受託生産業者から世界一の企業へと変貌させたコンサルテイング実績の中から生まれた、「技術という普遍的な価値を強化する」技術ブランド戦略は、破壊的な価格競争と製品の短命化を防ぐと同時に、コミュニケーションとモチベーション(動機付け)で組織を束ね、市場と収益力と成長力を最大にする「企業価値の最大化による新たな成長戦略」です。

(本テーマに関するお問い合わせ、コンサルティングのご要望はTEL(03)6804-3688、FAX(03)6804-3689まで。)


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