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情報システム部門が経営課題達成の強力なアシスト部門であるために、何をやらねばならないか? 今回は、「情報システム部ムダとりマニアル」(編著・森岡謙仁、定価39,800円)より、チェックシート事例を公開します。
 
 経営課題と情報システム企画経営者の最大の関心事の一つに経営計画がある。また、これを実現するために達成すべき経営課題が、毎年、複数定められ、これらを日常のマネジメントの目標や指針として、トップダウンで各部門や現場に示される。これに対して、各部門は示された経営課題や部門課題を達成するための部門課題や業務目標をボトムアップ型で経営者に提示することで調整を図り、経営計画に盛り込むということが、良く行なわれている手順である。
 
 
 1)経営課題と情報システム企画の関連経営課題は、そのままでは、実現されようはずが無い。経営課題は、実務という仕事を通じて達成されるものであるので、各部門や現場では、「これまでの仕事のやり方」を「変革」する必要がある。言葉だけでは、一向に仕事の成果は、以前に比べて良くならない。
 (1)経営課題と情報システム
 すでに仕事の要素(JE;Job Elements)については、先に述べた。合わせて、経営課題の達成には、情報システムの構築が必須であったり、その利用が非常に効果的であることは、周知のとおりである。
 経営課題として、およそあげられる項目と、その実現に寄与する情報システムの関連を図1に示す。
 
 
   
 (2)経営者に対する情報システム企画
 経営課題を達成するために情報システムが大きく貢献することを、情報システム部は経営者に対して、いつでも提案できる姿勢が望ましい。
 
 
1. 情報システム企画の内容(3)経営者に対する情報システム企画の進め方このような情報システムの企画に盛り込まれるべき要件は、以下のとおりである。
 
 
    2. 情報システム企画のタイミング経営管理に対する情報システムの有効性
    本年度の経営課題に対する情報システムの有効性
他社における情報システム活用事例
当社における情報システムの投資分野
次期情報システムの投資計画(投資効果含む)案
前提条件とその整備計画
特に担当者教育、社員教育の計画
 また、情報システムの企画を行なうべきタイミングは、一般的に以下のタイミングがある。これらのタイミングを捉えて、情報システム部は、経営者に対して、新しい情報システムの企画を提案することが可能である。
 
 
    新年度計画の作成時期 
    半期計画(上期、下期)の作成時期
    従来機のリースアップ時期
    事業の拡張、統合、廃止等のタイミング
    企業の分社化、合併などのタイミング
    経営者の交替による経営方針、全社目標の変更の時期
    幹部の交替による部門方針、部門目標の変更の時期
 ここで経営者に対して情報システムの企画を提案するには、どのような進め方が良いか、考えておく必要がある。
 
 
1. 経営者に対する情報システム企画の手順経営者に対する情報システムの企画を進める場合には、下記の手順を踏むのが一般的である。
 
 
 
 
   
        | 経営者に対するインタビュー | 
 | ・経営課題の確認 |  
        | ↓ |  |  |  
        | システム企画方針の決定 | 
 | ・システムイメージ確認 ・大枠予算の確認
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        | ↓ |  |  |  
        | 経営数字の把握 | 
 | ・投資時期の確認 |  
        | ↓ |  |  |  
        | 経営課題に関わる業務の現状把握と分析 | 
 | ・現場インタビュー |  
        | ↓ |  |  |  
        | システム企画内容の検討 | 
 | ・情報技術アイテムの検討 |  
        | ↓ |  |  |  
        | 情報システム企画書の作成 | 
 | ・情報システム企画書 |  
        | ↓ |  |  |  
        | 経営者に対する報告会 | 
 | ・プレゼンテーション |  
 
2. 日常的な経営者に対する情報システム企画また、日常的にこれを行なう方法としては、経営者を入れての以下のミーティングがある。
 
 
    情報システム企画・検討会議(月例) 
情報システムアイデアボックス(電子会議)
情報システム企画ライン(電子メールによる経営者とのホットライン)
 
 2)経営課題と情報システム企画の留意点(1)経営課題と情報システム企画の留意点経営課題に対する情報システム企画を検討する場合、以下の点について留意しておく必要がある。
 
 
1. 経営課題の優先順位付け(2)経営課題と情報システム企画のためのチェックシート経営者の考えている経営課題の優先順位については、100%把握していることが前提となる。その他に以下のような点について確認しておく必要がある。
 
 
    2. 経営者に対する情報システム企画のアピールポイント例えばISO 9000、ISO 14000番の認証取得などの課題には、複数の情報システムの整備が必要である。
「生産性の30%向上」などという経営課題は、情報システムの整備だけでなく、生産計画から生産形態までの統合的な見直しも合わせて必要とする。
情報システムの貢献度が高い経営課題は、どれか。
情報システムの投資効果を早く取れる経営課題は、どれか。
 また、経営課題の支援が経営者にとって期待することであるが、さらに以下の点について情報システム部として企画に盛り込めれば、経営者の理解を得やすい。
 
    先進のテーマ(イントラネットなど)を使用している 
    継続的な売上増に大きな効果を発揮する
    継続的なコスト削減に大きな効果を発揮する
    導入コストが非常に小さく済む
    導入6ヶ月以内に十分に投資対効果を期待できる
 
 経営課題を把握しそれを実現するための情報システムを企画することは、情報システム部の今後の仕事として、大きなウエイトを占めることが明らかである。
 そのためには、図2のチェックシートをもちいて経営者の期待に添う企画に練り上げることが重要である。
 
 
 
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