![]() |
ジャスト・イン・タイムとジャスト・イン・ケースの両立を実現する |
|||||||||||
※録音・録画・撮影はご遠慮下さい。
●受講のおすすめ製造業は「ジャスト・イン・タイム」から「ジャスト・イン・ケース」を目指すべきという記事を見かける。そこでは「ジャスト・イン・タイム」は、在庫を出来るだけ少なくすることを狙ったため、コロナや震災の際に多くの欠品を発生させた。そのために「ジャスト・イン・ケース(万一の備え)」を考えて多めの在庫を持つべきであるという考えである。 しかしいつ起きるか分からないリスクに対し、どれだけの在庫を持つべきか難しい問題である。たとえば、コロナ感染で作業者が2週間休むなら、2週間分の在庫を持てばよい。しかし半導体工場の被災が心配だからと、工場の建て直しの1年分の在庫を持つわけにはいかない。そこで「買えるだけ買っておこう」ということになる。経済産業省の資料によるとコロナショックを契機に実施した対応策として、17.6%の企業が「原材料・部素材在庫・部品材の積み増しを行った」と回答している。しかしいくら持つべきかは手探りである。東日本大震災の後、ある半導体メーカーは3ヶ月分の在庫を持つことにしたという。これにより顧客への供給責任を果たそうとして努力していると聞く。ただ3ヶ月在庫が適正なのかどうかは分からない。 このような過剰な購買戦略はさらなる品不足に拍車をかけることにもなる。現状の品不足は、需要と供給のバランスが崩れた一時的な現象「非常時現象」と見ることができる。このような非常時対応策は、在庫のみでなく、リスクマネジメントのしくみの強化として対応すべきなのである。それにより安定時と非常時で柔軟に対応するしくみとして整備すべきである。つまり安定時により儲かるように、かつ非常時にリスク最小になるようにすべきである。その両立が必要である。 ジャスト・イン・タイムはトヨタ生産の考え方であり、非常時の対応方法もしっかりと盛り込んでいる。ジャスト・イン・タイムはリスクに弱く、大きな見直しをしなければならないわけではない。本来のジャスト・イン・タイムの考え方を勝手に解釈し、安定時の効率のみを追求した企業では、大きな被害を受けている。それが、ジャスト・イン・タイムが問題であるとの結論になったものと思われる。 そこでトヨタと日産、ホンダのしくみを比較し、各社の管理のしくみを見ていく。そしてトヨタのジャスト・イン・タイムの考えやそれを実現させる仕組みやリスクマネジメントに対応するしくみを解説していく。そして本来のジャスト・イン・タイムは、巷で言われているジャスト・イン・ケースも含めた仕組みであることを解説していく。
受講対象: ●セミナープログラム
|