〜仕様発注方式と比較して,性能発注方式はこんなにも優れている〜
新刊好評発売中!
CD-ROM版+くるみ製本(約130頁)
定価:35,000円(消費税込)+送料
※くるみ製本、CD-ROM版もあります。
◎編著:澤田雅之
澤田雅之技術士事務所 所長
技術士・電気電子部門
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●本書をご活用下さい
発注には,詳細な設計図面等を用意し「この図面の通りに作ってくれ」と要求する「仕様発注方式」と,実現しようとする具体的な目標や要件を示し「このような機能・性能を備えたものを作ってくれ」と要求する「性能発注方式」があります。DXに伴う大規模なソフトウェア開発,欧米のようなオープンイノベーション,大規模な整備プロジェクトのマネジメント,難工事に欠かせない「情報化施工」,民営化を主眼とする公共事業などを成功させるには,「性能発注方式」による取り組みが欠かせません。
「性能発注方式」では,目標と必要十分な要件のみを明確にし,設計等に立ち入らないことで,受注者が自由な発想で創意工夫を凝らし,プロジェクトの全体最適化,費用対効果に優れた結果を導けます。
しかし,我が国の特に官公庁では「性能発注方式」の馴染みが薄く,もっぱら「仕様発注方式」が用いられることにより,新国立競技場整備事業など大小の失敗例が頻発しています。そこで,本書では「仕様発注方式」と「性能発注方式」の具体的な事例研究を通じて,「性能発注方式」のメリット,正しい「性能発注方式」の在り方,発注書の制作と活用の実践法などを,わかりやすく解説します。建築・土木工事や各種製造請負,DX化などの発注,受注に,ぜひ本書をご活用下さい。
●本書の特長
- グローバルスタンダードな「性能発注方式」の特徴,メリット,取り組み方について,具体例に基づき分かりやすくまとめている。
- 我が国独自の「仕様発注方式」に起因する諸問題について,多数の失敗事例に基づき深掘りしている。
- 具体的な事例の発注書を掲載し,「仕様発注方式」と「性能発注方式」の違い,「性能発注方式」の発注書の作り方を示している。
- DXに伴うソフトウェア開発,オープンイノベーション,プロジェクトマネジメントを成功させる取り組み方について,すぐに実践できるようにまとめている。
- 民営化を主眼とする公共事業や公設公営の公共事業について,価格と技術の競争原理を働かせ,費用対効果の最大化を目指す取り組み方を具体的にまとめている。
●内容項目
- 第1章 日本人のDNAに組み込まれている「仕様発注方式」
- 第1節 発注書と発注方式
- 発注書とは?
- 発注方式とは?
- 第2節 日本人のDNAに組み込まれている「仕様発注方式」の弱点
- 仕様発注方式は,他国に類を見ない我が国独自のガラパゴス
- 仕様発注方式の基本は,「設計・施工の分離の原則」
- 仕様発注方式の本質は,ボトムアップによる部分最適化
- 第3節 「仕様発注方式」とは対照的な「性能発注方式」
- 性能発注方式は,グローバルスタンダード
- 性能発注方式の基本は,「デザイン思考」によるニーズとシーズのベストマッチング
- 性能発注方式の本質は,トップダウンによる全体最適化
- 第4節 DX,オープンイノベーション,プロジェクトマネジメントを成功させる鍵は,
「性能発注方式」による取り組み
- DXに欠かせないソフトウェア開発
- オープンイノベーション
- プロジェクトマネジメント
- 第2章 プロジェクトや事業の全体最適化 成功と失敗の事例研究
- 第1節 零戦の大成功と後継機「烈風」の開発失敗
- 零戦は,20世紀の世界地図を塗り替えた純国産の工業製品
- 旧日本海軍の軍用機発注方法は,仕様発注方式と性能発注方式の2種類
- 零戦が成功した秘訣
- 零戦の後継機「烈風」の開発に旧日本海軍は大失敗
- 零戦の成功と後継機「烈風」の開発失敗が残した教訓
- 第2節 仕様発注方式で失敗・破綻し,性能発注方式で復活・成功した
新国立競技場整備事業
- 2015年7月17日,新国立競技場整備計画が白紙撤回
- 白紙撤回された新国立競技場整備計画,工事費試算額の推移
- 新国立競技場整備計画が破綻した原因
- 性能発注方式で復活した新国立競技場整備事業
- 第3節 X線天文衛星「ひとみ」の大失敗と小惑星探査機「はやぶさ」の大成功
- X線天文衛星「ひとみ」は国際協力ミッション
- 「ひとみ」は打ち上げに成功した1ヶ月後にバラバラに分解
- 「ひとみ」がバラバラに分解した原因は,ソフトウェアのバグとデータの誤入力
- 「ひとみ」の姿勢測定系の機能設定に大きな問題
- 大成功した小惑星探査機「はやぶさ」
- 「はやぶさ」と「ひとみ」の対比からの教訓
- 第4節 全体最適化はプロジェクトや事業を成功させる必須条件
- プロジェクトや事業の成功事例と失敗事例の対比
- 全体最適化の成否はプロジェクトや事業の成否に直結
- 「プロ中のプロ」がトップマネジメントしなければ仕様発注方式での全体最適化は困難
- 性能発注方式では受注者に委ねるべき設計に立ち入った場合の全体最適化は困難
- 第3章 仕様発注方式に起因する公共工事発注上の諸問題と性能発注方式による解決
- 第1節 些細な積算ミスが契約上の大トラブルを招いた2つの事例
- 千葉県企業局の積算ミスで受注者との契約を解除して入札をやり直し
- 東京都が積算ミスの自己責任を転嫁して受注者に理不尽な減額要請
- 第2節 施工で生じた不具合の責任を発注者が問われた事例
- 横浜市が仕様発注した橋は低すぎて観光船の通航に支障
- 大阪府が仕様発注した地下調節池整備に伴う地盤沈下で大阪地裁が大阪府に賠償命令,施工業者は免責
- 第3節 仕様発注方式が招いた不適切施工事例と談合事例
- 大阪市水道局が仕様発注した配水管工事の9割強が不適切施工
- 全国規模の消防無線談合の温床は工事仕様書
- 第4節 難工事の現場での安全の確保が仕様発注方式では困難な事例
- 外環道大深度地下トンネル工事で調布市内陥没事故が発生
- 外環道本線トンネル工事でシールドマシンの重大損傷事故が発生
- 第5節 今日の公共工事ではメリットが見出せない仕様発注方式
- 第4章 我が国の公共工事発注方式の歴史的経緯と今日の課題
- 第1節 公共工事発注方式の歴史的経緯
- 戦前の公共工事は官庁直営方式
- 戦後の土木事業で確立した仕様発注方式
- 官庁と民間の技術力が逆転した流れに追随できない仕様発注方式
- 第2節 公共事業の民営化に悪影響を及ぼした仕様発注方式
- 1999年に制定・施行されたPFI法
- 公共事業の民営化に欠かせない性能発注方式
- 性能発注の成否を左右する要求水準書
- 第3節 公共工事(公設公営事業)では改正品確法に基づく性能発注が低調
- 2014年の改正品確法で規定された性能発注方式
- 改正品確法に基づく公共工事(公設公営事業)の性能発注
- 公共工事(公設公営事業)で性能発注が低調な理由
- 予定価格の策定に関する会計関係法令上の規定
- 第5章 性能発注方式の具体的な実践方法
- 第1節 実践に向けたモデルとなる宮崎県警察本部ヘリコプターTVシステム
新規整備事業
- 性能発注方式は合理的で誰でも実践可能
- 前例のない性能発注方式で取り組むことになった経緯
- 我が国初の性能発注方式の合理性とその波及効果
- 性能発注方式を効果的に実践する上での要点
- 第2節 性能発注方式の実践に欠かせない発注者ならではの技術力
- 仕様発注方式で発注者に欠かせないのは設計力と積算力
- 性能発注方式に欠かせない発注者ならではの技術力
- 第3節 関係者の意志統一を図る概要設計書の作成
- 新国立競技場整備事業と零戦開発における関係者の意志統一の実際
- 概要設計書作成プロセスでニーズとシーズのベストマッチング
- モデル事例の参照による概要設計書の効率的な作成
- 第4節 理想的な要求水準書を作成する上での要諦
- 発注者が実現を求める「機能と性能の要求要件」を漏れなく記載
- 受注者が設計と施工(or製造)を行う上で必要十分な情報を提供
- モデル事例の参照による要求水準書の効率的な作成
- 第5節 「ターゲット発見システム整備事業」をモデルとした概要設計書と
要求水準書の記載例
- 「ターゲット発見システム整備事業」をモデル事例とした理由
- ターゲット発見システム整備事業の概要設計書の記載例
- ターゲット発見システム整備事業の要求水準書の記載例
- おわりに
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