|
|
新刊好評発売中
くるみ製本(A4判・約570頁)
定価:25,400円(消費税込)+送料
◎編著:阿武 芳輔
日立精機株式会社 元工場長
|
このボタンをクリックすると『工作機械とその更正修理』が買い物カゴに入ります。
|
●復刻・推せんの言葉
本著作者の阿武芳輔氏は日立精機KKを経て,KK日立製作所・川崎工場の勤務を経た工作機械の権威である。この図書の初版は,1957年である。更正修理技術について定評ある図書として,この業界で,膾炙されている。
既に,絶版となり,この方面において,再版が要望されている。
子息の阿武芳郎氏は東工大の機械工学科教授の席にあり,東京理科大を経て,活躍されていた。また保全技術者連盟の会長として,この方面の技術者の指導,育成に尽力されていた。志半ばにして,1995年に薨去された。この故再販は途絶し,現在に至っている。その志を生かすことを,復刻者 畑がひきついで,実現せんと図った次第である。
復刻にあたり,斯界の技術動向を探索してみると,早坂力氏の推薦の辞にあるように,この図書の技術水準を超える文献は皆無であり,極めて高位にあると考える。
この際,KK新技術開発センターに,委託し,その復刻を図る計画である。
顧みると,内容的にJIS規格は年々改訂あるいは,新設されていて,これらに追従しつつ,歩調を合わせるのは,なかなか骨のおれることである。よって,本復刻は純粋技術問題に絞って,現行の技術動向をチェックするにとどめた。
後世の技術諸賢の推敲を期待しつつ,取り急ぎ復刻版をよにだすべきと判断した次第である。必ずや斯界に大いに利益をもたらすと復刻者は信ずる。
因みに,復刻者 畑は,日立製作所・亀有工場において,生産技術者として,長年在籍し,各種の内作専用機を自家設計した。文献を示すと,昭和46年,工業調査会刊の「内作の各種専用機の紹介」において,その労作を発表した。亀有工場に並び立つ,同業他社にも大いなる情報を提供し,産業界に益するところ大と認識している。また近来には,テーブル直径6メートルの大型立て旋盤の設計製作を敢行し,平成28年現在において,順調に稼働している。その根底には,冒頭にかかげた本書の示唆によるところが大きい。
ここにあらためて,この書の意義を含め,報告する次第である。大方のご利用に期待する。
2016年6月29日 畑 明 記す。
●内容項目
- 第1章 工作機械
- 1.1 工作機械の本質と近代化
- A.工作機械と機械工業
- B.技術面から見た工作機械の本質
- C.管理面から見た工作機械
- 1.2 工作機械の更新と更正
- A.概論
- B.設備機械の減価償却
- C.欧米における工作機械の減価償却
- D.工作機械の合理的更新
- 1.3 旧工作機械の改造とその能率化
- A.旧工作機械の改造とその生産性
- B.工作機械の高速化
- C.高速化は能率のすべてか
- D.作業分析と単能化による生産性
- E.治工具の整備
- F.部品素材の整備
- 1.4 工作機械の管理とその対策
- A.設備機械の管理
- B.設備機械の管理機構
- C.設備機械の作業分析
- D.設備機械の定期検査
- E.設備機械の補修とその管理
- 1.5 工作機械の検査
- A.検査の本質と製品の品位
- B.検査の技術的分野
- C.標準精度規格
- D.静的精度と動的精度
- E.工作機械の精度とその水平度
- F.更正修理の検査規格の規定と精度標準規格の準用について
- G.精度更正に対する作業規格の制定について
- H.精度測定とその実際
- 第2章 工作機械の要素
- 2.1 主軸と主軸軸受
- A.軸受の具備すべき条件
- B.平軸受および主軸用材料の選定および熱処理
- C.平軸受の形式
- D.特殊な平軸受
- E.平軸受の諸問題
- F.主軸および主軸受の製作工程について
- G.転り軸受の選択について
- H.転り軸受の組付けおよび取外しについて
- I.転り軸受の洗滌,保存について
- J.転り軸受のハメアイについて
- K.主軸端規格について
- L.転り軸受の事故とその原因
- 2.2 案内面
- A.案内面の形状
- B.案内面の磨耗
- C.案内面の焼入れ
- D.案内面仕上げに要する工具
- E.摺合せ作業
- F.ベッド案内面の研削仕上
- G.加工面の真直度の検査
- H.直角度の測定
- I.ワイバに関する問題
- J.ギブ(ウエッヂ)に関する問題
- 2.3 歯車
- A.一般事項
- B.歯車の損傷状態とその原因
- C.歯車の精度
- D.平および斜歯歯車工作上の問題
- E.傘歯車の工作上の問題
- F.ウォームおよびウォーム歯車工作上の問題
- G.歯車の材料と熱処理
- 2.4 ネジ
- A.一般事項
- B.親ネジに対する考え方
- C.親ネジおよびナットの材料熱処理の問題
- D.親ネジの加工方法
- E.親ネジの検査
- F.親ネジの誤差について
- G.ピッチ誤差の修正法
- H.親ネジのスラストについて
- 2.5 潤滑について
- A.潤滑給油の方式
- B.手差し給油法
- C.滴下給油法
- D.輪環給油法
- E.湯浴および飛沫給油法
- F.循環給油法
- G.潤滑方式と限界速度指数の関係
- H.特別高速用噴霧給油法
- I.最近の潤滑法の実例
- J.案内滑り面の潤滑および油溝
- K.潤滑油の物理的および化学的性能
- L.伝導歯車用潤滑油
- 2.6 油圧機構
- A.一般事項
- B.油圧操作仕様および油圧回路
- C.油圧ポンプについて
- D.圧力油の選定
- E.操作バルブについて
- F.操作ピストン,シリンダーおよびパッキングその他
- G.油圧用配管
- H.油圧回路における故障および対策
- 第3章 工作機械の更正修理一般論
- 3.1 工作機械の更正修理とその実施体制
- A.工作機械の更正修理とその実施体制
- B.工作機械の技術的複雑性
- C.技術の真の意義
- D.更正修理の本質
- E.更正修理に対する作業体制
- F.更正修理の計画
- 3.2 更正修理作業
- A.更正修理作業
- B.工作機械の水平芯出し
- C.分解作業
- D.洗滌および清浄作業
- E.部品の新規取換えおよびその更正について
- F.組立および精度調整
- G.単位組立および綜合組立に対する無負荷ならし運転
- H.工作機械の焼付き原因
- I.塗装
- 3.3 工作機械の更正修理とその検査
- A.更正修理の検査規格
- B.更正修理検査
- C.完成検査
- 3.4 工作機械の据付け
- A.工作機械の据付け
- B.工作機械の据付け基礎
- C.工作機械の据付け支持方法
- D.工作機械の水平芯出し
- 3.5 工作機械の運搬
- A.輸送面からみた工作機械の取扱い
- B.防錆と防塵
- C.工作機械の吊り方
- D.ヂャッキの掛け方
- E.コロ引き
- 3.6 荷造り
- A.荷造りの目的
- B.荷造りについての注意事項
- C.輸送用梱包について
- D.梱包用構造材料
- E.梱包の構造
- F.箱詰または枠組にした場合
- 3.7 輸送
- A.輸送制限に関して
- B.分解輸送に関する一般注意事項
- C.分解輸送の場合の荷造り上の注意
- D.修理機械の輸送について
- 第4章 工作機械の更正修理実施要項
- 4.1 工作機械の更正修理各論について
- A.各論一般解説
- B.更正修理とその責任技術者
- C.作業遂行に必要な基本的な技術的対策および措置
- 4.2 部品の廃棄限界
- A.部品の廃棄限界
- B.嵌合
- C.軸の曲りについて
- D.ネジの限界
- E.軸受
- F.歯車
- 4.3 摩耗部品の更正
- A.摩耗部品の更正の一般事項
- B.摺動面の更正
- C.伝導部品に対する更正
- D.熔接について
- E.鍍金について
- F.メタルスプレ
- 4.4 工作機械の近代的改造の実例
- A.カウンター伝動工作機械について
- B.一般旋盤の能率改置
- C.フライス盤の能率化
- D.ボール盤の能率化
- E.平削盤の能率化
- F.倣い削り装置の分野
- G.倣い削りの方式
- H.倣い装置操作上の諸注意
- 第5章 旋盤
- 5.1 旋盤
- A.旋盤の分類
- B.旋盤の機械工業的分野
- C.旋盤の近代化
- D.旋盤について
- E.切削性について
- F.コレソフ切削法
- G.機械稼動効率の高度化
- H.旋削のビビリについて
- I.旋盤の輸送について
- 5.2 標準旋盤
- A.標準の高速化
- B.精度規格の準用について
- C.旋盤加工精度検査
- D.標準旋盤の修理に関する一般的注意事項
- E.D20型旋盤
- F.コーハン400型旋盤
- G.ケルガー,ブラット・エンド・ホイットニー社旋盤
- H.大型旋盤に対する一考察
- 5.3 ターレット旋盤
- A.ターレット旋盤の発達とその近代化
- B.更正修理に関する一般事項
- C.精度更正
- D.精度および機能調整
- E.日立精機社 No.3〜5 ターレット旋盤
- F.ワーナー No.3〜5 ターレット旋盤
- G.ビットラー社 RE-III-40-60 ターレット旋盤
- 5.4 立ターレット旋盤
- A.立ターレット旋盤の近代化とその対策
- B.更正修理に対する一般事項
- C.分類
- D.精度および部品更正
- E.運転調整について
- F.ビビリの原因とその対策
- 5.5 立旋盤
- A.一般事項
- B.分解について
- C.部品更正
- D.精度補正
- E.ビビリについて
- 第6章 自動旋盤
- 6.1 自動旋盤の一般事項
- A.自動旋盤の特質
- B.自動旋盤の分類
- C.自動旋盤の工作精度の限界
- D.共グリの諸問題
- 6.2 ブラウンシャープ型自動ネヂ切り旋盤
- A.一般事項
- B.分解順序
- C.主要部の修理対策
- D.機能の調整
- 6.3 ピーターマン型(細長物)自動旋盤
- A.一般事項
- B.磨耗を起す部分とその対策
- C.組立調整
- 6.4 多軸自動旋盤
- A.一般事項
- B.分解順序
- C.故障,磨耗の起りやすい箇所とその対策
- D.割出し精度
- E.組付け精度
- 6.5 ポッタージョンソン社型自動旋盤
- A.一般事項
- B.精度補正
- C.高速化について
- 6.6 センタ多刃自動旋盤
- A.一般事項
- B.多刃自動旋盤の近代化
- C.更正修理
- D.据付け
- 第7章 フライス盤
- 7.1 フライス盤
- A.フライス作業の特質とその能率化
- B.フライス作業における仕上面の特性
- C.フライス削りのビビリの原因
- D.カッタの研削
- E.切刃の基本的形状
- F.カッタアーバの精度向上に関する考察
- 7.2 膝型フライス盤
- A.更正修理に関する一般事項
- B.主軸温度の上昇に伴うコラム前面の伸びについて
- C.ニースクリューとコラムの前後,左右関係の平行度
- D.テーブルの移動に伴うテーブル上面の水平偏位
- E.横型フライス盤におけるアーバサポートの芯出し
- F.アーバサポートの共グリ
- G.横型フライス盤におけるカッタアーバサポート心振れの測定
- H.アーバカラについて
- I.テーブルスクリューの遊隙除去について
- J.主軸テーパ孔の再加工
- K.主軸精度について
- 7.3 膝型横フライス盤
- A.精度補正について
- B.横型コラムの精度について
- C.ニーの精度補正について
- D.運転
- E.機能
- F.据付け
- 7.4 膝型万能フライス盤
- A.万能フライス盤におけるテーブル旋回中心と主軸中心線の一致
- B.万能フライス盤のテーブル中央溝とその旋回中心との一致
- 7.5 膝型立フライス盤
- A.コラムの精度補正について
- B.中心ヘッドの精度について
- 7.6 ベッド型フライス盤
- A.一般事項
- B.精度補正について
- C.据付け
- 第8章 研削盤
- 8.1 研削盤
- A.研削盤の分類
- B.研削盤の近代化
- C.研削の意義
- D.寸法精度と面精度
- E.研削盤と砥石
- F.ツルーイングとドレッシング
- G.砥石の選択
- H.油圧機構関係
- I.テーブル運動の息付き
- J.研削盤の加工精度
- K.研削作業の不具合の原因とその対策
- 8.2 円筒研削盤
- A.砥石頭および軸受
- B.砥石のバランスについて
- C.円筒研削盤用サイディングデバイス
- D.ベッド,テーブルベース,テーブルの摺合せ
- E.主軸伝導について
- F.砥石軸伝導について
- G.テーブルのラック駆動について
- H.テーブルの油圧駆動について
- I.精度規格
- J.更正修理
- K.据付け
- 8.3 内面研削盤
- A.一般事項
- B.砥石軸の構造
- C.内面研削における定寸装置について
- D.送りネジ
- E.機械精度と加工精度
- F.砥石軸の分解および組立について
- G.砥石軸とテーブル運動
- H.内面研削とビビリについて
- I.更正修理
- J.据付け
- 8.4 平面研削盤
- A.平面研削盤の形式
- B.平面研削盤の特性
- C.平面研削盤の更正修理
- 8.5 無心研削盤
- A.形式
- B.更正修理
- C.無心研削のビビリについて
- D.据付け
- 第9章 ボール盤および中グリ盤
- 9.1 ボール盤
- A.ボール盤の近代化について
- B.孔明け作業の特異性
- C.ボール盤の回転速度について
- 9.2 直立ボール盤
- A.構造および一般事項
- B.部品の更正について
- C.精度補正について
- D.荷造り輸送について
- 9.3 多軸ボール盤
- 9.4 ラヂアルボール盤
- A.機構上の特異性
- B.更正修理について
- C.輸送について
- 9.5 中グリ盤
- A.中グリ盤の分類と近代的性格
- B.中グリ作業の特異性
- C.中グリ作業の一考察
- D.ボーリングバー装脱に関する私見
- E.主軸ヘッドについて
- F.主軸および主軸スリーブについて
- G.主軸ヘッドのバランスウエィトについて
- H.中グリ作業のビビリとその対策
- 9.6 中グリ盤(テーブル型)の更正修理
- A.分解について
- B.精度の補正について
- C.組付けについて
- D.運転調整について
- E.輸送運搬
- 9.7 フロワー型中グリ盤
- 9.8 精密中グリ盤
- A.据付けおよび精度規正
- B.摺り合せについて
- C.主軸ヘッドについて
- D.運搬および据付け
- 第10章 平削盤および形削盤
- 10.1 平削盤
- A.近代的な構造とその改造対策
- B.更正修理に対する重要対策
- C.門型平削盤の更正修理
- D.輸送と据付け
- E.片持平削盤に対する特別注意事項
- 10.2 形削盤(横型および立型)
- A.一般事項
- B.更正に関する一般事項
- C.横型形削盤の更正修理
- D.運転機能
- E.据付け
- F.立型形削盤の更正修理
- 第11章 歯車盤
- 11.1 歯車盤について
- A.歯車盤の分類
- B.歯車盤の近代化
- C.歯車盤の国産化
- D.最近の歯車加工
- E.割出し歯車の構造並びにその加工
- F.歯車盤の更正修理
- 11.2 ホップ盤
- A.構造および設計
- B.改造とビビリの対策
- C.更正修理について
- D.据付けおよび輸送について
- 11.3 正および捻れ歯車形削盤
- A.正および捻れ歯車形削盤
- B.歯車形削盤(マッグ社)
- C.歯車形削盤(サンダーランド型)
- 11.4 傘歯車形削盤
- A.傘歯車形削盤について
- B.直歯傘歯車形削盤
- C.捻れ傘歯車盤
- 11.5 歯車研削盤
- A.歯車研削盤の形式および特長
- B.マッグ社歯車研削盤
- C.ブラット・エンド・ホイットニー社型歯車研削盤
- D.ナイルス社歯車研削盤
- 附録
- 1.精度規格
- 2.加工精度規格
- 3.工作機械修理仕様(更正修理)
- 4.工作機械更正修理検査規程
- 5.電動機検査
- 6.電動機故障発見表
- 7.研削砥石選択表
- 8.テーバ規格(アメリカ)
|